カプリスのかたちをしたアラベスク

このブログはフィクションです。詳しくはプロフィール参照。

【最近のできごと】

文学ムック「たべるのがおそい」の編集などを手がける西崎憲主宰の電子書籍レーベル「惑星と口笛ブックス」より
ぼくの初の単著となる短編集「コロニアルタイム」が発売されました。

また同レーベルより発売中のアンソロジー
「ヒドゥン・オーサーズ」

にも短編を寄稿しています。
この本は新潮社が発行している雑誌「波 2017年7月号」で
王様のブランチでおなじみの書評家・滝井朝世さんにも取り上げていただいています。


平日のお酒はやはりよくない(小旅行編)

平日のお酒はやめた、といったけれども、しかし平日でもお酒を飲まなくてはならない日もあるわけで、そういう日はお酒を飲んでいるから平日の禁酒を徹底できていない。
付き合い程度なら一杯でいいのに、一杯飲んだらもう何杯飲んでもいっしょだとおもってしまって、結局、ふつうに飲んでしまう。お酒を一杯でも飲んでしまえば、本を読んだり、小説を書いたり、音楽をきいたりする体力がなくなってしまって、平日の夜が睡眠の空白になってしまうから、とてももったいない。

きのうは会社関連の飲みがあって、そんなに多くはないけれど気持ちよく酔っ払える程度には飲んだ。会も23時には終わったし、大阪から神戸まで帰るのになんの心配もいらなかった、はずだった。

しかし、酔うとすぐに眠ってしまう癖がここのところついてしまって、JRの新快速に乗って、一息付き、顔をあげたら知らない大きな駅にいた。姫路だった。たぶん中学のころの遠足かなにかぶりだった。
これまで電車を乗り過ごしてしまってもせいぜい西明石までだったのに。西明石から神戸に割増のタクシーで帰るまで9000円くらいかかるのを考えたら、姫路から神戸は軽く3万円はかかる、と頭の中で見積もってタクシーは使わないことにした。芝生の広いところで姫路のヤンキーと家のないおじさんが眠っていたり叫んでいたりした。今月はほんとうにお金がないのと、次の日も仕事だということ、いったん家に帰って着替えなくちゃならないことを考えて、確実に朝5時に起きれるようカラオケボックスで泊まることにする。となりの部屋から若いひとの、叫びとも歌声ともつかない大きな声を何度も聞いた。姫路の人は声が大きいのかもしれない。なんとなく椎名林檎の幸福論をワンコーラスだけ歌ってから眠った。

案の定、今日は仕事をいつもより真剣にやれなかった。

営業の仕事だと、正直、1日くらいテキトーにぼさっとバレることはなくて、同期や、かなり上のキャリアのひととかでも、そんな日があったりする、という話をきのうの飲み会でしていたことを思い出した。リーマンショックの歳は、業界的に全然売れなかったから、200万円あげるので退職してください!と会社がいうくらいで、そのときの人たちは喜んで200万円もらって退職することにし、消化試合になった労働をサボり倒した、ときいた。やめないひともそれにつられてサボったりした。ぼくの同期は、御堂筋線を何度も行ったり来たりするのが好きだといった。ぼくはそれを南海電車でやりたいとおもった。ほかの同期がいう、御堂筋線の中津と西中島南方の区間がとてもいいよね。

今日は移動に無駄に各駅停車の電車を使った。とても心地がよかった。だけどそれは身体的なことだけであって、心は疲れたまま、的な感じがあった。ぼくはいまの仕事がとてもしんどい、と感じる。だけどじっさい、ぼくの仕事量が多いというわけじゃないし、肉体的にハードということでもない。仕事がきついのは、ぼくが給料程度に働けていないという罪悪感にあるのだとおもった。だから、サボるともっときつくなる気がする。仕事のキツさは仕事をすることでしかとりのぞけないなーとかぼんやり公園のベンチでぼさっとしながらおもった。
しかしどうしようもなく頭が重かった。もう、平日は飲み会にいってもお酒を飲まないようにしようとおもった。