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カプリスのかたちをしたアラベスク

小説とか映画とかアニメとかサブカルな文芸界隈。批評未満。すぐにおセンチな気分になる。ご連絡は machahiko1205★gmail.com(★→@)まで。

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好きな作家15人をオススメ小説・詩集と一緒にランキング形式で紹介する(日本文学編)

ランキング 読書

ここのところ、だんだん帰る時間が遅くなっているような気がする。

 

 

なんというか、家にいないで外出している時間が12時間を超えるととてもよくない気がする。なんだか後頭部が熱くなってくるとかあるしそうなると文章を書くどころか、そもそも文章を読むこともままならないみたいな感じで、最近はなんだか休日で必死に人生を取り戻してるみたいなところがある。

 

きのうは大学学部時代の先輩と後輩がギターとバンドネオンで重奏をするイベントがあったけど、土曜出社でそれはいけなくて、終わった後の飲み会におじゃましてたのしかった。

 

ぼくの近況はさておき、前回けっこう好評だった好きな作家ランキング(海外文学編)の日本文学編をはじめます。今回は詩人もランキングにいれました。といっても、小説も書いているひとですが、オススメの詩集の紹介もしてます。

 

第15位 桜井晴也

オススメ小説 世界泥棒
世界泥棒

世界泥棒

 

昨年の文藝賞受賞作。この賞は綿谷りさや山崎ナオコーラがデビューした賞。この作品はここ数年の5大文芸誌(文學界、群像、新潮、すばる、文藝)新人賞受賞作とくらべてもずば抜けた質と量がある。セカイ系、って感じの作家。これからがすごくたのしみ。

 

 

 

第14位 中島敦

オススメ小説 文字禍
山月記・李陵 他九篇 (岩波文庫)

山月記・李陵 他九篇 (岩波文庫)

 

 山月記でみんな知ってる作家。中島敦の小説はそもそも舞台が異国であることが多いのだけど、日本文学って感じがあまりしなくて、感触としてはラテンアメリカ文学に近い。マルケスとか、ボルヘスとか。そういう小説をずっとむかしで書いていたひとがいるっていうのを改めておもうとなんかいいなーっておもう。

 

 

 

第13位 青木淳吾

オススメ小説 クレーターのほとりで
四十日と四十夜のメルヘン (新潮文庫)

四十日と四十夜のメルヘン (新潮文庫)

 

 あやしい小説を書くひと。とにかくこのひとは、なんというかいわゆる「人間を書くこと=文学」という悪しき思想がまったくないのがすがすがしくて、興味は徹底してひとでないものへと向いている。とくに、かれは空間がいかにあるのか、いかにつくられるのか、といったものへの興味が強い気がする。シムシティとかシビライゼーションとか、そういう系のゲームが好きなひととか意外と楽しく読んじゃうかも。

 

 

 

第12位 柴崎友香

オススメ小説 わたしがいなかった街で
わたしがいなかった街で

わたしがいなかった街で

 

 青木淳吾からの柴崎友香だと、保坂!って感じがするし、個人的に保坂和志のいっていることはよくわかるけれどなんだか好きになれないっていうのはある。そして一青木淳吾、柴崎友香、山下澄人あたりを紐づけてしまうのは、ひとりひとりの作家さんにとても失礼だしいけないなぁともおもう。けれどもやっぱり、青木淳吾と柴崎友香は似ている。空間への興味が。もっともどういう風に空間を認知するのかとか、そのへんは全然違う。柴崎友香はとりわけ「街」に空間イメージが特化している。人と人の会話、テレビのニュース、記憶、あらゆるひとの営みから他者の営みへと潜り込んでいく場がゆっくり、丁寧につくられる。

 

 

 

第11位 金井美恵子

オススメ小説 柔らかい土をふんで、
柔らかい土をふんで、 (河出文庫)

柔らかい土をふんで、 (河出文庫)

 

 金井美恵子を読むとことばへの執念というか、執着というか、それがえげつないな、とおもう。読者が、書く、ということを作家と共に経験するというか、そういう感じの小説におもう。一文の長さや煩雑さに途方にくれるひとも多いだろうけれど、一文のなかにある世界の深さにふれることができる小説はなかなかないと思う。

 

 

 

第10位 小島信夫

オススメ小説 微笑
アメリカン・スクール (新潮文庫)

アメリカン・スクール (新潮文庫)

 

 このひとのことばは生きていて、生き物としての気持ち悪さや怖さ、こっけいさがある。ひとの発話の瞬間に正しく小説を書いているのが、すごい。

 

 

 

第9位 川上未映子

オススメ詩集 先端で、さすわさされるわそらええわ
先端で、さすわさされるわそらええわ

先端で、さすわさされるわそらええわ

 

 ぼくはこれを読んで小説を書こうとおもった。詩集だけど。ことばは意味・情報とかそんなもんじゃない。

 

 

 

第8位 伊藤計劃

オススメ小説 虐殺器官
虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA)

虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA)

 

もう、ほんとうに長生きしてほしかった。PKDを超える大SF作家になってほしかった。卓越したストーリーテリング、ウィットに富んだユーモア、スピード感あふれる戦闘描写、なによりも作品が哲学をきちんともっている。だけどハーモニーはあんまりだったなぁー。2015年に虐殺器官ハーモニーが劇場版アニメになるらしい。

 

 

 

第7位 最果タヒ

オススメ詩集 死んでしまう系のぼくらに
死んでしまう系のぼくらに

死んでしまう系のぼくらに

 

 詩人、だけどたまに文芸誌などで小説も書くひとで、「死んでしまう系のぼくらに」

は詩集。ことばをことばとして使い、ことばを使うじぶん自身もことばであろうとしている強さがすき。

 

 

第6位 舞城王太郎

オススメ小説 好き好き大好き超愛してる
好き好き大好き超愛してる。 (講談社文庫)

好き好き大好き超愛してる。 (講談社文庫)

 

ポップでファックな現代的な小説を書く覆面作家。エネルギッシュな文体にかれの持ち味があるというわけじゃない気がする。人一倍、小説に何ができるかを真摯に考え実践しているんだなーっておもう。好き好き大好き超愛してるは舞城のひとつの到達点だったように思う。

 

 

第5位 夢野久作

オススメ小説 ドグラ・マグラ 
ドグラ・マグラ (上) (角川文庫)

ドグラ・マグラ (上) (角川文庫)

 

 

ドグラ・マグラ (下) (角川文庫)

ドグラ・マグラ (下) (角川文庫)

 

小説を書き始めた当時にすごく影響を受けていたのは夢野久作のドグラ・マグラだった。 メタ構造というか、メビウスの輪みたいな形をした小説。脳髄論にはじまる雑多なあれこれをよくここまで凝縮したなぁっていうのはいまだに感動できる。チャカポコで心を砕かれるひとが多いけど、そこを乗り切ってあと下巻はすごく読みやすいからがんばって!

 

 

第4位 安部公房

オススメ小説 箱男
箱男 (新潮文庫)

箱男 (新潮文庫)

 

小説を書き始めたときに好きだった作家はやっぱりずっと好きなままで、安部公房を読んで小説っておもしろい!っておもえた気がする。砂の女がやっぱり人気だけど、ぼくは抜群に箱男がすき。安部公房の世界は機械仕掛けの冷たい質感がある。構造そのものの成り立ちは、ひとがひとであることに等しく尊い気がする。

 

 

 

第3位 木下古栗

オススメ小説 いい女vs.いい女
いい女vs.いい女

いい女vs.いい女

 

なんか2ちゃんねるの住人が間違って小説かいちゃったみたいなひと。とにかくに中学生レベルの下ネタをいいたいだけ、とかそんな小説が多いけれど、それを実現するために技術を惜しみなく使う作家。川端康成文学賞の候補に「本屋大将」が上がっていたけれど、辻原登や津島佑子から完全に無視されていた辺り、ファンとしてうれしい。文学文学ブヒブヒいってるひとほど、木下古栗を読むべきだとおもうし、木下古栗を文学として評価できる日本であってほしい。

 

 

 

第2位 円城塔

オススメ小説 これはペンです
これはペンです (新潮文庫)

これはペンです (新潮文庫)

 

どこまで真面目でどこからふざけているのか、ずっと真面目なのかそれともはじめからずっとふざけているのか、円城塔はそれが全然わからない作家だ。読んでいておもしろいのは、物理や数学、数値計算のことを事実の通り書いているだけなのに、それが奇妙な詩性を帯びることが頻繁にあって、たぶんそれは何かのメタファや文学としての試みとかそういうのは全然なくて、“ほんとうに”現実を書いているだけなのだろうと思う。円城塔をSFや構造遊びとして読んだらそれ以上でもそれ以下でもなくなってしまう。書かれてあることをすべて事実として、100%真に受けて読まないと、書かれている世界の豊かさに気がつけない――そんな気がする。

 

 

 

第1位 村上春樹

オススメ小説 ねじまき鳥クロニクル
ねじまき鳥クロニクル〈第1部〉泥棒かささぎ編 (新潮文庫)

ねじまき鳥クロニクル〈第1部〉泥棒かささぎ編 (新潮文庫)

 

 

ねじまき鳥クロニクル〈第2部〉予言する鳥編 (新潮文庫)

ねじまき鳥クロニクル〈第2部〉予言する鳥編 (新潮文庫)

 

 

ねじまき鳥クロニクル〈第3部〉鳥刺し男編 (新潮文庫)

ねじまき鳥クロニクル〈第3部〉鳥刺し男編 (新潮文庫)

 

なんだ結局ハルキかよ!!って怒られそうな気がするけれど、なんだかんだで村上春樹はほんとうにすごい小説を書いていると思うし、日本人作家で一番好きなのは村上春樹だ。ねじまき鳥クロニクルは「僕」という素朴な一人称に似合わない巨大な世界や歴史、「僕」と直接的な関係を持たない様々な人間の膨大な物語が抱え込めてしまうこと、潜在的に抱え込んでいるということを「僕」の物語として示してしまったのは、大偉業なんじゃないかっておもう。第3巻がわかんないっていうひとが多いけれど、第3巻こそ読んでほしい…! あと春樹は短編もすごくいいよね。

めくらやなぎと眠る女

めくらやなぎと眠る女

 

 

「象の消滅」 短篇選集 1980-1991

「象の消滅」 短篇選集 1980-1991

 

ハルキの比喩が嫌いっていうひとは、そういうジョークだと思ったらもう少し楽に読める気がするのでおすすめ。

 

 

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以上です!

おつきあいいただき、ありがとうございました!! 

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