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カプリスのかたちをしたアラベスク

このブログはフィクションです。詳しくはプロフィール参照。

【最近のできごと】

西崎憲主宰の電子書籍レーベル「惑星と口笛ブックス」より
小説・詩・短歌のアンソロジー「ヒドゥン・オーサーズ」が発売されました。
ぼくは大滝瓶太として「二十一世紀の作者不明」という短編小説を寄稿しています。

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怪人は爆発する/怪人の爆発をヒーローが私物化してはならない

ちいさいころ、仮面ライダーウルトラマンが好きすぎて、じゃっかん友だちにひかれていた的な時代があった。

ちょうど、ぼくが幼稚園児~小学生低学年くらいのとき、仮面ライダーはブラックやブラックRXだった。夕方の再放送で1号やV3とかやっていた気がする。

 


「仮面ライダー大戦」昭和ライダー必殺技映像集! - YouTube

(アマゾンとシンのグロさが光ってますね!)

 

 

ぼくは平成ライダーについての知識は皆無で、それらライダーがはじまったとき、ぼくはもうヒーローに心奪われるような年頃じゃなくなっていたのだった。

けれども、はじめて好きになったものを嫌いになる理由なんてめったにないもので、嫌いになる理由がないからこそ好きで居続けているのかもしれない。

この動画をみて、ぼくは仮面ライダーが好きだった。

 

「蹴られて爆発するのはおかしい!」

こううことをよく聞くしこのまえも、YさんがTwitterでいっていた。しかし、そもそもそれは怪人を人間の常識ではかるからそう思えるだけであって、怪人とはそもそも爆発する生き物だと、ぼくはおもうのだ。爆発しなければ怪人ではない。爆発は怪人の生命がもっとも輝ける時だ。

ヒーローに足蹴にされて輝く生、というのはなんだか切ない。だからぼくは怪人がせめてリア充であってほしいと切実におもう27歳だった。

 

怪人の死を私物化するヒーロー

動画では歴代ライダーたちの必殺技と一緒に、(みんなじゃないけれど)多数の怪人たちの爆発をみることができる。殴られ、足蹴にされ、採石場からまるで人形のように転がり落ちる怪人は、轟音と共にその生を炸裂させ、閃光と、放射上に煙を放てばこの世にはいない。だからこそ、ぼくたちはその生の最後の一瞬(とき)の一切を邪魔してはならなかった。爆発を見届ける遠目にひいたカメラは、怪人への敬意だろう。

 

しかし、RXをぼくはゆるさない。

RXはかっこいい。ベルトのバックル部分から光の剣を抜きだし、怪人を一突きするかれの必殺技は、おさないころ好きだった。そして腹部を一突きされた怪人は傷口から火花をまき散らしながら悶え、悶え、悶えながらも抵抗するも勝負あったとばかりにRXは剣の舞を舞い、力尽きた怪人の爆発を背景に華麗にポーズを決める。

ふざけるな。

怪人の生命の輝きを、こいつはなんだとおもってやがる。

死の瞬間すらヒーローがヒーローであるためのパーツとして、ヒーローが私物化していることにぼくは憎悪すら抱いた。

 

正しい怪人とヒーローの関係性

だからといって、地球人であるぼくは怪人の肩を持つわけではない。むしろ、変身中に攻撃する怪人をぼくは許さない。つまり、怪人とヒーローは互いの聖域を犯してはならないのだとおもう。ヒーローの変身(誕生)、怪人の爆発(死)、この運命的なまでの対称性は宇宙の真理じゃないか、とふとおもう。

ヒーローの変身(誕生)、怪人の爆発(死)、この運命的なまでの対称性は宇宙の真理じゃないか。大事なことなので2回いいましたよ。

しかし、宇宙は対称性の破れから生じたように、この聖域の均衡が破られてこそ生まれたものもあるだろうし、それがきっとライダー同士で殺し合うという平成ライダーなのかもしれない、とおもった。

 

それでは、昭和ライダーの変身を見ながらさようなら!


昭和全仮面ライダー変身シーン集 - YouTube