カプリスのかたちをしたアラベスク

このブログはフィクションです。詳しくはプロフィール参照。

【最近のできごと】

西崎憲主宰の電子書籍レーベル「惑星と口笛ブックス」より
小説・詩・短歌のアンソロジー「ヒドゥン・オーサーズ」が発売されました。
ぼくは大滝瓶太として「二十一世紀の作者不明」という短編小説を寄稿しています。

「波 2017年7月号(新潮社)」など、雑誌にもちらほら取り上げてもらいました。

また短編集「教育と育児」も好評発売中です!


「勉強なんかできたって、社会ではなんもならん」に対して

風邪をひいてました。体温が昨晩からジェットコースター状態で、なんとかいま落ち着いています。

きょうは仕事を休んで、朦朧とする意識のなか、ぼんやりとタイトルに書いた
「勉強なんかできたって…」
みたいなことを考えてました。

ぼくは仕事でよくちっちゃい会社の社長や個人事業主のおっちゃんとかとお仕事するのですが、ぼくの経歴を聞いて、
「なんでまたこんな仕事に?」
っておっしゃる方が多い。すると、
「もっと稼げる仕事に就けたやろ」
と続けておっしゃられるのですが、同時に
「学校の勉強なんかな、なーんの役にも立たんやろ」
ともおっしゃられる。ぼくはこの話の流れがどうも気持ち悪いと感じます。なんというか、「そんだけ勉強したんやったら、もっと専門的な職に就けたやろ」ということと「結局、仕事なんか経験や!」というなんとなく相反する2つを同時に言われた気分になるからです。

もっとも、これら2つが相反するものだという認識はかれらになく、おそらく、
「専門性の高い職を選ばずに、そうでない〈お勉強の必要のない仕事を選んだ〉」
と認識しておっしゃっているのだろうけど、でもやっぱりその根本には、学問を無価値とおもっている、そんな刺々しい言葉を口にされます。

学問がなぜ必要か

その問いに答えることはいまのぼくにはできなくて、というのもぼく自身、学問が尊いものだという感覚はあるけれども、だからといって万人にそれが必要だともおもえないからです。営業職をしてて痛感することは、ものの価値は商品のクォリティで決まる絶対価値でなく、お客さんが主観的に判断した相対価値が支配的に働いて決定される。そもそも、このシステムが死ぬほど気持ち悪くていま苦労しているのだけど、この現場に学問を導入できたとしても、それでも価値は商品の絶対価値以外のところで決定されるだろう。知識やロジックは人と議論をする上での強力な武器だけれど、営業の場では他者のその日の気分に負ける程度ものでもある。第一、お客さんは買い物をしたいのであって、議論をしたいわけではない。

意思決定云々に関する本はファスト&スロー(おもしろかった)を読んでみた。

ファスト&スロー(上) あなたの意思はどのように決まるか? (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)

ファスト&スロー(上) あなたの意思はどのように決まるか? (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)


ファスト&スロー(下) あなたの意思はどのように決まるか? (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)

ファスト&スロー(下) あなたの意思はどのように決まるか? (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)

でもこれを積極的に応用しようとはおもわない。
たしかによく言われる
「勉強なんて何の役にもたたない」
の反論として、ぼくがひとまず持っている返答は
「それはきっとあなたの周りにだれも学問を役立てられたひとがいなかったか、あるいは役立てられている学問に気がつけていないかのどちらかです」
ぐらいしかおもいつけないけど、ただ、そもそも〈役立てる〉という発想を、学問の第一義として考えるのもどうかとおもう。もちろん、学問は国やらメーカーやらのスポンサーがあって研究がなされ発展している以上、ちょっとぐらい還元できないといけないというのもわかる。
だけど、社会への還元を無理強いされた学問って、すごく〈かわいそう〉だ。なんか、「いい大学へ行って、いい会社に入りなさい!」って言われて育つ子どもみたいで。そんな愛のない育て方したら、学問も拗ねるだろうなー。なんて。


高校時代のこと

ぼくは、田舎の町にひとつあった図書館で毎日受験勉強していたのですが、同じ高校のほかの子も何人か来るわけです。それで、あんまり成績よくなくて、でもやたら意識高い系の発言している子ら何人かが、
「受験勉強なんてやっても今後何の役にもたたん」
「こんなことよりも、ニュースとか見る方が大事」
「ちゃんと自分の意見をもって討論するとか、そういう力の方が…」
みたいなことを言っているのをよく聞きましたが、ぼくは結構ふざけんなっておもってました。
「学ぶ」ということにおいて「何が大事か」っていう優先順位はないとおもいます。
だって、おぼえるのも、考えるのも、表現するのも、全部大事ですし。
考える、表現する、というアウトプットはわかりやすいので賛同を得やすいのか知らないけれど、ぼくはインプットを詰め込みだーなんていわず、もっと評価したらいいのにっておもいます。
こういう時に覚えたものって、別にジョブズのコネクティング・ドッツじゃないけど、まあちょっとした「財産」と呼べる程度のものであるとはおもいます。


なんか書いてて腹が立ってきたので寝ます。
それではおやすみなさい!