カプリスのかたちをしたアラベスク

このブログはフィクションです。詳しくはプロフィール参照。

【最近のできごと】

文学ムック「たべるのがおそい」の編集などを手がける西崎憲主宰の電子書籍レーベル「惑星と口笛ブックス」より
ぼくの初の単著となる短編集「コロニアルタイム」が発売されました。

また同レーベルより発売中のアンソロジー
「ヒドゥン・オーサーズ」

にも短編を寄稿しています。
この本は新潮社が発行している雑誌「波 2017年7月号」で
王様のブランチでおなじみの書評家・滝井朝世さんにも取り上げていただいています。


好きなギタリスト(クラシック)を5人を好きな演奏と一緒に紹介する

音楽がしたい。

さいきん、すごく音楽がしたい。

ぼくは高校1年のときからクラシックギターを干支がひとまわりするくらい弾いている。ただ、クラシックギターの知名度があまりにもないので(音楽の授業のアレ、程度だ)、よくフォークギター(いわゆるアコギ)とまちがえられる。クラシックギターでは(めったに)ピックを使わないため、ぼくは右手の爪を伸ばしているのだけど、それを気持ち悪がられたりする。いまは営業の仕事をしているので、とある上司には爪を切ることを促された。でもギターを弾きたいのでこっそり伸ばしている。けれども、楽器を触るのは正直なところ、2ヶ月に1回くらい。バロックや古典音楽の読みやすい楽譜の譜読みをして満足、みたいな感じでおわる。

この、「音楽がしたい衝動」は「音楽できてない不満」からくるのだけど、ただ楽譜をなぞるんじゃなくて、1曲としっかりと向き合いたいみたいな感じだ。あまりぼくは上手じゃないけれど、じぶんなりの完成までもっていきたいのだ。

 

ここ5年くらいはすっかり聴くことばかりになってきた。

音楽を聴くと耳が肥える。するともっと良い音楽を求めちゃって、じぶんの音に耐えられなくなる。これは結構一般にあることだとおもう。たとえば若い頃、必死に楽器をしていたひとがギターを弾かなくなったりするのは、忙しい以外にもこういうことが理由になっている、はず。

 

というわけで、今回は好きなギタリストとかれらの演奏を5つ紹介したいとおもいます。

あえてわかりやすい曲じゃなく、ザ・ギターみたいな選曲にしました。

これをきっかけにクラシックギターに興味を持っていただけるとうれしいです。

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(朴葵姫かわいいよ朴葵姫…)

 

 

ローラン・ディアンス

チュニジアの夜(作曲:D.ガレスピー・F.パパレリ 編曲:R.ディアンス)



最初はこのひと。ギター弾きたちはかれに敬意をこめて「ディアンス先生」とよびます。プレイヤーとしても優れているのはいうまでもなく、本職の作曲・編曲では20世紀現代ギター音楽界のトップなんじゃないでしょうか。そこらへんの男子大学生がクラシックギターをもってジャンジャカなにやら演奏してたら、だいたいディアンス先生の作品だとおもってまちがいないです。

今回はあえてディアンス先生が編曲の作品を紹介。この「チュニジアの夜」はジャズでは定番中の定番の曲で、そもそも一人でこの曲を演奏することに何の価値があるの?というような音楽なんですが、ディアンス先生の超絶技巧を駆使したアレンジにかかればこのように観ても聴いても楽しい1曲となります。

 

 

朴葵姫

ソナタ第三番より「パスクィーニのトッカータ」(L.ブローウェル)



読みは「パク・キュヒ」。韓国生まれの育ちは日本の女性ギタリストです。はじめて現代ギターっていう雑誌で見たとき、ウルトラかわいい!と興奮したのをいまでも鮮明におぼえています。この動画ぐらいの時期は、名前が似ていることもあってかJ.アルカスの「椿姫の主題による幻想曲」という作品をよく弾いていました。彼女の演奏で好きなところは、女性的な繊細さ・色づかいの背後にある「力強さ」です。ブローウェルの「ソナタ第3番」をここで紹介したのは、その「力強さ」が際立った演奏を聴いてほしい的なかんじだから。ちなみに、かわいい女の子が、メカニックな曲をゴリゴリ弾いているのをみるどゾクゾクする。

 

 

アナ・ヴィドヴィッチ

5つのバガテルより「アレグロ」(W.ウォルトン)



クラシックギター界の天使。彼女の師匠のマヌエル・バルエコは毛むくじゃらのおっさんですが、かれも非常にすばらしい演奏家であります。

ぼくのギターの先生(もう6年くらいレッスン受けてないけど)がいうに、この動画で演奏しているウォルトンの「5つのバガテル」は、現在のギター曲で5本の指に入るほどの難曲、といっていました。一説によれば、第3楽章の「アラ・クバーナ」は意外と弾ける!とのことです。

彼女の演奏はなんといってもすっきりしている。透明。このクリアな音色のためか、彼女が弾く曲はどんな難曲でも「むずかしく」は聞こえない。

 

 

ロマン・ヴィアゾフスキー

最後の日の夜明けに(F.クレンジャンス)


 

大学生のときの、他大学のギター部の先輩が心酔していたギタリスト。

超絶技巧にして豊かな表現力、圧倒的なまでの迫力。なんといってもそれにつきます。動画はフランスの作曲家フランシス・クレンジャンスの大曲で、一曲が物語になっています。死刑囚の最後の一日、夜明けからみずからの刑が執行され息絶える瞬間までを描写した作品。これは楽譜が結構楽しいことになっているので、機会があればぜひ見てもらいたいです。大学2回生のころ、ひとりでよく弾いていました。

 

 

マルシン・ディラ

スクリャービンの主題による変奏曲(A.タンスマン)

 

 

イケメンです。ほんとうにありがとうございました。

イケメンがギターうまいのはずるい…、とよく思うのですが、去年にかれの演奏会が大阪であって、ギター関係の友人といってきました。おもったよりまるまるとしてて、時間というものを感じました。

でもかっこいいのはむかしの顔だけじゃなくて、演奏もイケメンです。動画の曲はぼくがギターの曲で一番すきな作品です。この曲を弾くまでは死ねません。それくらい好きです。スクリャービンはいろいろ気難しいピアニストなのですが、主題となった前奏曲を書いた時点ではたしか神秘和音とかそんな話はまだしていませんでした。ギターと郷愁は良く合います。

 

アサド兄弟

タンゴ組曲より「アンダンテ・アレグロ」(A.ピアソラ)



20世紀最高のギターデュオは3組あるといわれており、それは「イダ・プレスティ×アレクサンドル・ラゴヤ」「ジョン・ウィリアムス×ジュリアン・ブリーム」、そしてこの「アサド兄弟」とされています。

ブラジル生まれのかれらは、とりわけ南米音楽で素晴らしい演奏をみせます。かれらの演奏を聴いていると、もう手とか頭とか心とか、そんなもので音楽をやっていない。かれらは血で音楽をしてるんじゃないかっておもいます。音楽も文学も南米がすきです。

かれらのピアソラ作品集が1000円で売っている!というのも学生時代の衝撃でした。

 

ピアソラ:タンゴ組曲

ピアソラ:タンゴ組曲

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最後に

音楽はすばらしい。そして聴くのもいいけど、やっぱり音楽を体験したいなって常々おもう。

会社の同僚でひとりクラシックギターを弾いていたってひとがいて、かれから

「今年の会社の忘年会でギター2重奏しませんか?」

といわれて、素直にうれしかった。よしやるぞーっておもった矢先、体調がかなり悪くなって、そして土日にやりたいこと・やらなくちゃいけないことがたくさんあったので、断ることにした。練習、となると正直どうも億劫になってしまう。べつにだれかの前で発表とかしなくていい。ただ、だれのためでもない音楽が、最近はしたい。

 

 

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