カプリスのかたちをしたアラベスク

このブログはフィクションです。詳しくはプロフィール参照。

【最近のできごと】

文学ムック「たべるのがおそい」の編集などを手がける西崎憲主宰の電子書籍レーベル「惑星と口笛ブックス」より
ぼくの初の単著となる短編集「コロニアルタイム」が発売されました。

また同レーベルより発売中のアンソロジー
「ヒドゥン・オーサーズ」

にも短編を寄稿しています。
この本は新潮社が発行している雑誌「波 2017年7月号」で
王様のブランチでおなじみの書評家・滝井朝世さんにも取り上げていただいています。


天才バンドネオン奏者・ピアソラのオススメ音楽7選

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クラシックギターをやっていたということもあって、実は音楽も嫌いじゃない(偉そう)、というか結構好きで、とくにアストル・ピアソラには思い入れがある。

クラシックギターを弾くひとだったら、一度くらいはかれの楽曲に触れたことがあるんじゃないかな、ぼくの場合はとにかく先輩がかれをとても好きで、週に1度のサークルの集まりでMDプレイヤー(なつかしい…)を持ってきて、「ピアソラ勉強会」なるものを開いていた。そのせいか、ながいあいだ

「アルゼンチンタンゴ=ピアソラ」

みたいな歪んだ音楽観を持つことになったのだけれども、そのおかげでピアソラをたくさん聴く大学生活が送れたから、よかったのかもしれない。

 

ピアソラについて

アルゼンチン出身のバンドネオン奏者であるかれは、パリへ渡り、そこで伝統的なアルゼンチンタンゴにクラシックの音楽理論やジャズなどの音楽を取り入れていった。「タンゴの革命児」と呼ばれ、その過激さゆえに命を狙われたこともあるという。

世界中のアーティストにかれの楽曲は演奏され、クラシック界ではヴァイオリニストのギドン・クレーメル、クラシックギター界ではイョラン・セルシェルといったプレイヤーにも愛された。このふたりのプレイヤーの特徴はともにバッハの名手であるということだけれども、そういえば、ピアソラ好きはこぞってバッハ好きであるようなきがする。

ピアソラ音楽は何と言ってもライブ感、即興性が醍醐味。

というわけで、今回はYouTubeの動画を7つ選んでみた。

 

 

リベルタンゴ(演奏:葉加瀬太郎、小松亮太)

 

日本でピアソラといえばこの曲が一番有名だとおもう。

サントリーのCMでヨーヨーマ(チェリスト)が弾いていたのもこの曲。

この曲は大学2回生のころに、サークルの定期演奏会の合奏曲だったので、結構練習した記憶がある。よく合奏では指揮者を立ててきっちり統制を取りつつ演奏することが多かったのだけど、この曲はここのパフォーマンスがメンバー全員を刺激するという、自己組織的な音楽作りを楽曲が促しているような楽しさがある。

まさしく、「Liber=自由」だなって。

 

オブリビオン(演奏:ステファン・ハウザー)

映画「エンリコ4世」のために作られた楽曲。ピアソラのなかでも旋律の美しさが魅力で、なので動画もそれが強調されているクラシックバージョンを選んだ。

エンリコ四世 [DVD]

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ブエノスアイレスの冬(演奏:アニカ・フッチェンロイター)

フィギュアスケートの高橋大輔が'10-11年シーズンのフリープログラムとしたことで有名な楽曲。こちらもオブリビオンと同様に美しい旋律が特徴だけれども、「冬」には壮大なスケール感、何かが起こる予感をかんじる。この曲をギター1本で弾くことは、ギタリストの憧れのひとつ(独断と偏見)。

 

ブエノスアイレスの春(演奏:ギドン・クレーメル)

クレーメル大先生の「春」。

日本人がイメージする「春」とはかけ離れた激しい冒頭からはじまる。ピアソラの音楽は序盤の盛り上がりから、中盤は一気に静謐としたノスタルジックな表情へと変貌し、終盤は崩壊へ向かうような激しい最後へ向かう「急−緩−急」の構造が多用される。

この「春」では、中盤の静寂の中にも激しさをたたえているいて、音楽、あるいは時間とともに移ろいゆく季節や街が、人々の生によって色付けられていくようである。

 

タンゴ組曲(演奏:アサド兄弟)

世界最高の二重奏ユニット、アサド兄弟が演奏するピアソラの難曲。

以前の記事でもこの楽曲を取り上げたのだけど、動画には1楽章がなくて残念。

学生時代、擦切れるほど聞いたCD↓

ピアソラ:タンゴ組曲

ピアソラ:タンゴ組曲

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タンゴの歴史(フルート:イザベル・ハーロウ ギター:パトリック・ヒーリー)

フルートとギターのために書かれた、20世紀のタンゴ100年の歴史を横断するピアソラの大曲。

古典的なタンゴの構造に忠実な「酒場1900」

「踊り」よりも「歌」が全面に押し出された「カフェ1930」

ポップなリズムと旋律が情熱的な男女の逢瀬を彷彿させる「ナイトクラブ1960」

現代的なミステリアスな作りをしている「現代のコンサート」

フルートのパートはヴァイオリンで演奏されたりもするけれど、やっぱりオリジナルの編成が好き。

 

天使の死(演奏:アストル・ピアソラ)

最後は何といってもピアソラ本人による演奏「天使の死」。

タンゴのリズムを刻む主題がフーガとなって交錯し混沌としたメイン部を鮮やかに導入し、壮絶な天使の死に向かって音楽は加速をやめない。ピアソラのなかでも洗練された完成度の楽曲。

レオ・ブローウェル編曲のギター独奏もよく演奏されているけれど、やっぱりこの編成の「天使の死」がかっこいい。

 

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