カプリスのかたちをしたアラベスク

このブログはフィクションです。詳しくはプロフィール参照。

【最近のできごと】

西崎憲主宰の電子書籍レーベル「惑星と口笛ブックス」より
小説・詩・短歌のアンソロジー「ヒドゥン・オーサーズ」が発売されました。
ぼくは大滝瓶太として「二十一世紀の作者不明」という短編小説を寄稿しています。

「波 2017年7月号(新潮社)」など、雑誌にもちらほら取り上げてもらいました。

また短編集「教育と育児」も好評発売中です!


偉大なアーティストをリスペクト!クラシックギターの賛歌を7曲選んでみた

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ぼくの青春の音楽だったローラン・ディアンスが亡くなってから、ふたたび楽器を弾きたくなってきのう弦を張り替えた。

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学生時代とはちがってもう人前で弾く機会も気力ないので、楽器を触るときは無作為に手元の楽譜の音を拾うだけなのだけど、なかなかこれがおもしろく、つい時間を忘れてしまう。

 

学生時代、譜読みが苦痛だった。楽器を弾くのもほとんど演奏会に出ることが目的になってしまっていたせいか、曲を完成させることばかり優先しちゃって、いまとなってはちょっともったいなかったなあっておもう。もちろん、曲を完成させる意識を持って練習するからこそ得られるものもおおきかったんだけど、でもそれにはもうすこし基礎力が必要だったんじゃないか、なんて。

 

さてはて。

ちょっと視座を高くして、俯瞰的にいろんな曲を眺めていると見えてくるものもある。だから今回の記事のテーマは「リスペクト」だ。

音楽にはリスペクトがおおい。

ぼくはそう感じる。特にクラシックでは変奏曲といった形式の楽曲も多くあって、それは単にこれから行う構造的な実験の意味の方が大きかったのかもしれないけれど、そもそもの主題をよそから借りてくるということに「継承」の意識のつよさをかんじる。

そして「尊敬」と「継承」がつよく現れる音楽が、「賛歌」と名付けられたものだ。

ぼくの興味の方よりのためクラシックギターのものに限られるけれど、どれも時代やジャンルを超えた広がりがある。動画も貼り付けておくので、音楽を聴きながら読んでくれるととてもうれしい!

 

目次

ソナタ・ロマンティカ(シューベルト賛歌)


Marcin Dylla - M. Ponce: Sonata Romántica

20世紀ギター界の巨匠アンドレス・セゴビアと数々の楽曲を世に送り出したマヌエル・M・ポンセの名曲。

歌曲王と呼ばれたシューベルトの作品なかでも、たぶん「アルペジオーネ・ソナタ」を意識しているんじゃないかなっていう作りになっている。

第1楽章の「たったらったら〜♪」っていうところが「変なおーじさ〜ん♪」に聴こえる。

第4楽章がクソかっこいい。

悪魔の奇想曲(パガニーニ賛歌)


Thomas Viloteau: Tedesco's Capriccio Diabolico

マリオ・カステルヌーヴォ・テデスコ作曲のギターレパートリーの金字塔。

パガニーニといえば世界最高のヴァイオリニストで技巧を駆使して演奏される24のカプリスでとても有名。かれを主人公にした映画もちょっと前にあった。 

パガニーニ 愛と狂気のヴァイオリニスト(通常盤ブルーレイ) [Blu-ray]

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ちなみにパガニーニはギタリストでもあったんだけど、その話ってあんまり聞かない。実際に、パガニーニ作曲の「グランドソナタ」って曲もあって、割と広く弾かれている。

個人的にテデスコはわりと好きなのだけど、かれの曲はなんとなく「運動会」的な感じがして、ところどころ笑える。この「悪魔の奇想曲」も中盤が運動会。

タレガ賛歌


Joaquín TURINA-Homenaje a Tárrega (Garrotín y Solerares)

スペインのホアキン・トゥリーナ作曲。かれはギター曲を確か6曲くらい(?)しか作ってないのに、その全てがめっちゃ演奏されている。けれどもこのタレガ賛歌はトゥリーナのなかでもそんなに…な感じある。

近代ギターの父フランシスコ・タレガの曲は「アルハンブラの思い出」がめっちゃ有名。ギターを知らないひとでも聞けば思い出すとおもうのでイエペスの動画を貼っておく。


Narciso Yepes - Recuerdos de la Alhambra

ちなみにタレガ賛歌のタレガ感がわかるひとは真剣に教えて欲しい。

どこからどう聴いてもトゥリーナじゃん……。この記事のコンセプトもあるので、トゥリーナはちゃんとタレガをリスペクトしてください。

亡きタンゴ弾きへの哀歌(ピアソラ賛歌)


M.Pujol : Elegia Por La Muerte De Un Tanguero - Muraji Kaori

ピアソラの弟子だったかなんだかのマキシモ・ディエゴ・プホールが作曲。名前の通り、ピアソラの死に際して弔いに作った曲。

第3楽章「エピローグ」がドラマティックでスタイリッシュなイケメン仕様になっている。

ヴィラ=ロボス賛歌


Roger Eon - Hommage à Villa-Lobos

故ディアンス先生の作曲によるポップでロックなヴィラ=ロボス。

ヴィラ=ロボスといえばギター曲がエチュードやショーロでたくさんあるけれど、たぶん一般的にはオーケストラ向けの楽曲「ブラジル風バッハ」で有名だとおもう。ディアンスとヴィラ=ロボスはそもそも作風が越境的なところが共通しているようにぼくはおもう。が、この曲に関してはヴィラ=ロボス感がわからん。どう聴いてもディアンスにしか聴こえない。で、

「この曲のどの辺がヴィラ=ロボスなのかよくわかっていない」

と大学時代の後輩(ギターくそうまい)にいったら、

「まちゃひこさん勉強不足っすよ」

といわれた。 

ピンクフロイド賛歌


Irene Gomez plays Hommage aux Pink Floyd , J. Casterede. From her CD "Images"

ジャック・カステレード作曲。カステレードはこの曲でしか知らない。

マイナーな曲ということもあって、youtubeにも動画は少ない。むかしもっとコンサート動画あったはずなんだけど……。

ピンクフロイドはがっつり聴かずに育ってきたマンなので「なんとなくそうかも〜♪」的なスイーツ(笑)な聴き方しかできてないけれど、ひとつの主題に執着しながらここまで不穏に、そして華やかに展開しているのがいいなぁっておもう。いい曲。

ジミ・ヘンドリクス賛歌


Guitar Virtuoso Pavel Steidl plays 'Hommage à Jimi Hendrix'

残念ながら歯ギターはしない。コユンババでおなじみのカルロ・ドメニコーニが作曲。

ドメニコーニだとトッカータ・イン・ブルーが抜群にいいとおもうんだけどなぁ。この曲はそんなに好きじゃない。奏者のパヴェル・シュタイドルは高い技術と情熱的な表情で世界的に有名なギタリスト。顔がロックすぎて音楽が頭に入ってこない。というか、これギターみたいな声出してるんじゃね?

まとめ

ギターにおける賛歌はどれも大曲になっていて、演奏するのにかなり高度な技術が求められる。

この7曲はどれも有名なギター曲だけれども、演奏機会が多いのはたぶんポンセ「ソナタロマンティカ」テデスコ「悪魔の奇想曲」が頭ひとつ出て多いんじゃないだろうかとおもう。この2曲はギタリストの憧れの曲としてあげられる。

一方で、いうまでもないけれどカステレード「ピンクフロイド賛歌」ドメニコーニ「ジミヘンドリクス賛歌」はキワモノ的な存在。たぶん、聞いてもギターやっているひとじゃないとあんまり楽しくない感があるなぁっておもう。現代音楽にしろ現代文学にしろ、現代と名前のつくものはたのしむのに基礎的なトレーニングが必要なきがする。

おまけ:演奏にオススメな3曲

演奏するのにオススメするのは「亡きタンゴ弾きへの哀歌」

その理由は、今回取り上げた曲のなかでかなり難易度が低く(注意:今回の7曲はどれもクッソむずかしいよ!)、そしてウケがいい。

 というか、プホールの曲は基本的に演奏コスパがいい。

終わりに

音楽記事は評判がいい。

だから「もっとこういうのもやって!!」みたいな意見とかあればこのブログの連絡フォームやTwitterからメッセージを飛ばしてくれるととても嬉しいです!

音楽記事もちょいちょい書いていきたいし、ギターについてもさすがに「弾いてみた」ができるレベルではないけれど、楽曲解説くらいはやってみたい。

 

以上、長々と紹介しましたが、クラシックギターに興味を持っていただけたらそれ以上のよろこびはありません。

ありがとうございました。

 

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