カプリスのかたちをしたアラベスク

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【最近のできごと】

西崎憲主宰の電子書籍レーベル「惑星と口笛ブックス」より
小説・詩・短歌のアンソロジー「ヒドゥン・オーサーズ」が発売されました。
ぼくは大滝瓶太として「二十一世紀の作者不明」という短編小説を寄稿しています。

「波 2017年7月号(新潮社)」など、雑誌にもちらほら取り上げてもらいました。

また短編集「教育と育児」も好評発売中です!


英語で小説を読みたいひとが知っておくと便利なことをまとめてみたよ!

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ぼくは海外の小説がすきなのだけれど、しかし小説読者の大半はおそらく翻訳された小説に読みにくさをかんじている。すくなくとも、ぼくがこれまでに会って話をしたひとのほとんどが「洋モノは苦手」だといっていて、翻訳がよくないとかそんなことをいっていた。

 

しかし「英語の勉強」という建前があると翻訳と原文を見比べてがんばって読もう!という意思がどうやら芽生えるらしいのだけれど、英語の勉強を目的としてそれをやるのはいささか見当違いだというのは知っておいたほうがいいんじゃないかとおもう。

端的にいって、翻訳は英語力だけをとうものではないし、むしろこれまでの(文芸的な)読書そのものをとうている。基礎的な英語力を身につけるならばTOEICの練習をしていたほうが数倍効率がいい。

それについては「文芸翻訳入門 言葉を紡ぎ直す人たち、世界を紡ぎ直す言葉たち(Next Creator Book)」に詳しく書かれているのでそちらを参照してもらいたい。

下線部和訳と翻訳は決定的にことなっている、というのが大前提だ。

そういう前提を置いた上で、英語学習以前にそもそも小説を外国語で読んでみたいという好奇心があるひとに向けて、以下書いてみたい。

 

目次

 

「最初に読むべき本」は「読みたい本」に尽きる!

こういう話をするとよくきかれるのが、

「最初になにを読んだらいいですか?」

と相場は決まっているわけなのだが、これに対する回答は決まっていて、

「そんなのしらねぇよ」

となる。語彙や文法の複雑さとか、そういうのはぶっちゃけすでに翻訳された小説を読めばだいたい想像はつくとおもうし、それで想像がつかないようならやめておいたほうがいい。ぜったいに読了できないから!

 

外国語で長文を読むなんてことは、けっこう慣れが大事になってくるし、慣れもクソもない最初の段階だとそれを補える程度の根性やら熱意やらがないとキツい。

そういう意味でも、ぼくはとくに読みたい本がないなら、原文で小説を読むなどといったクソ面倒なことなどやめたほうがいいとおもう。

あと、安易に「翻訳された小説を読めないのは翻訳が悪いから」的なことはいわないほうがいい。

翻訳家の方々はきっと世の中の読書好きが思っている以上に良い仕事をしている。

 

あえてオススメを挙げるならオーウェル !

しかし、原文で読みたい作家がいる、作品がある、しかしそれは難解であるのが明らかで、それまでのとっかかりとして何かをひとまず読んでみたい……という人はぶっちゃけいるとおもう。そういう気持ちはよくわかるし、それならおすすめしたい小説があるにはある。ジョージ・オーウェル「Animal Farm(動物農場)」「1984」だ。

 

この二冊はぼくが実際に初めて英語で読了した小説なのだけれど、おすすめの理由を箇条書きにするとこんな感じになる↓

 

  • 問答無用の名作でおもろい
  • 長く複雑な文章がなく、語彙も平易
  • 20世紀英米文学として欠かすことのできない題材
  • 翻訳、解説が充実した作品である
  • Kindleで100円で買える

 

後述するが、英語で小説を読むに当たって、電子書籍を読める環境はあるとめちゃくちゃ便利だ。

 

「Project Gutenberg」を利用して短編を読む!

著作権切れの古典作品であれば、パブリック・ドメインとしてネットに大量に落ちている。何かを始める上で、やはりコストは最小に抑えたいというのもわかるし、それ以前に「なにが読めるのか」を知っておくことは良いとおもう。

 

英語版「青空文庫」とも呼べるもので「Project Gutenberg」というものがあるので紹介しておく。

https://www.gutenberg.org/

 

主にイギリス古典作品がここでは充実しているのだけれど、モダニズム文学の巨匠・ジョイスや古典SFの金字塔・ウェルズの短編など、実際に手を動かして翻訳してみると、翻訳されたものを読むのとはまた違った感触が得られていい経験になるとおもう。

 

電子書籍はやっぱり便利!

電子書籍のメリットをここであげておこう。

 

  • 外出することなく一瞬で小説を購入でき、すぐに読み始められる
  • かさばらないので持ち運び便利
  • タップするだけで単語を簡単に調べられるので、ある程度語彙に自信があれば辞書を引く手間が省ける

 

洋書は単純に入手がかんたんじゃない。

取り扱っている書店が少ないうえに、大手書店でも蔵書は決して多くない。なのでたいがいはネットを、利用してお家に送り届けてもらうわけだけれど、これはこれで手元に来るまでに時間がかかってしまう点で微妙だ。

とりわけ「外国語でまとまった量の文章を読む」というわりとハードな労働には、けっこうな心の活性化エネルギーが必要で、それを乗り越えるにあたり「おもったときに手元にない」というのはかなり深刻にやる気を削ぐことになる。

 

ここで注意すべきことは「辞書」に関してであり、Kindle備え付けの辞書はしょぼく、専門用語やイディオムに弱いということは念頭に置いておいた方がいい。

なんにせよ、辞書はこまめに引かないと大きな誤読をしてしまいかねないので、慣れないうちは速読しようなどと思わない方が懸命だ。

 

古典作品の翻訳を手に入れるにはKindle Unlimitedがおすすめ!

また、原文と合わせて翻訳版も並行して読むと、ちょっとした違和感などについて塾考しやすい。

古典作品は翻訳が充実していることもあり、電子書籍で見つかりやすい。

ぼくはコスパを考えてKindle Unlimitedという「読み放題サービス」を使っている。ちなみに最初の一ヶ月は無料お試しというよくあるパターンだ。

 

■Kindle Unlimited

 

特に光文社の新訳シリーズが充実している。

 

まとめ

以上、英語で小説を読みたい人向けのアドバイスだったけれど、まとめるとこんな感じだ。

 

  • 読みたい本・作家を見つけろ。まずはそこから。
  • オーウェルはいいぞ。
  • Project Gutenberg はいいぞ。
  • 電子書籍はいいぞ。
  • 知ったかぶるな。辞書を引け。

 

ともあれ、昔に比べてたったここ数年で原文が手に入りやすくなったし、読む環境もびっくりするくらい整備されている。

英語について、ぼくも決して得意とは言えないのだけれど、英語がわかんなくて困った時は、

「アメリカとかだとそこらへんのアホそうなおっさんだって英語で読み書きしゃべりをしてんだから俺にできないわけがない!」

という自己暗示をかけて、自らを奮い立たせている。

 

というわけで、みなさん、良い読書ライフを。