オススメ
作成:悪循環画像ジェネレータ 昨年の秋ごろだったか、かねてから仲良くしていた小説を書く友人たちが偶然東京で集まれる日があった。知人の結婚式に出席したのちに合流した佐川恭一(もんもん文学賞受賞)はそのときもうすでにいい感じに酔っ払っていて、ほ…
結末を決めてから書き始めたわけではなかったが、本間にとってモイパラシアとは、その純粋さが昂じて死に魅せられることはあっても、必ずや生の側に踏みとどまり、何があろうと懸命に生きてゆくことを望むような少年であった。 ところが、かつて本間がその身…
「ぼくも小説、書いてみたいんですよ」 飲み屋かなにかでたまたま話すことになった男性にこう言われたある作家はこう返したという。「じゃあ、あなたが持っているそのiPhoneで今から書き始めたらいいじゃないですか」 今日の話は、いってしまえばこのやりと…
「これエモくないすか?」 ということをいわれ、 「なにそれ?」 と返したのは、たぶん2年か3年かまえのことだったとおもう。 ことばはいつも知らないうちに次々とどこかから生まれ、ある程度パッケージ化された状態で情弱のぼくの手元に届くわけだけれど、…
今日はひさびさにアニメの話をします。 目次 『聖剣伝説レジェンド・オブ・マナ』とアニメ『ポプテピピック』 アニメを「クソアニメ」にするものとは 変化する「クソ」という評価 「クソ」への偏愛 アニメ『ポプテピピック』の「わたし性」の喪失 創作物の「…
イーヨーにとって、はじめて父親が死ぬということが、自分にもわかる問題になった、ということだったのじゃないか? 確かにイーヨーはきわめて悪かった、悪いふるまいをした、ということではあるんだけれども、と僕はしばらく考えた上で妻に話した。それでも…
きのう今年のノーベル文学賞がカズオ・イシグロに決まったというしらせをきいて、あまりにもびっくりして声が出てしまった。 もちろんカズオ・イシグロはいうまでもなく優れた作家であることはわかっていたのだけれども、2年連続英語圏の受賞ではないだろう…
とつぜんだけど、セッ久とオナヌーはちがう。 ぼくはそうおもっている。 日頃のストレスやらお酒飲んだときとかのやり場のない性欲は射精によって回収されるといえばそうなんだけど、射精すりゃいいってもんじゃない。仕事でも主にビジネスビジネスとぶひぶ…
今月の文芸誌「すばる」にて、うんこ作家の木下古栗が書評を書いていた。4冊くらいまとめて紹介していたのだけれど、どれもこれもかれの作風を象徴するような選書で非常におもしろかった。 すばる2017年5月号 出版社/メーカー: 集英社 発売日: 2017/04/06 …
シャンデリア (Kindle Single)[Kindle版] posted with ヨメレバ 川上 未映子 2017-01-11 Kindleで見る シャンデリアが落下する瞬間 ─ ─ きっとその瞬間にわたしはどこ にいたってその真下にいるはずで、わたしは目を見開いて、ものすごく見開いて、その落下…
山本浩貴+hというちいさな小説家について、ここでぼくがかれをどう認識しているか、できるだけ正確に書いておきたい。 もっとも影響をうけた作家はだれかというありがちな質問に対し、ぼくは決まってトマス・ピンチョン、リチャード・パワーズ、そして山本浩…
※お知らせ サブブログのタイトルを「人の転職を笑うな」に変更しました。 今後とも引き続きよろしくお願いします。 急にスーパーファミコンがしたくなることがある。 大学生の時、この衝動に駆られたぼくと当時の彼女(嫁)は、思い立ってすぐに近所のゲオに…
三島は激怒した。かの高卒低学歴アッパラパー作家の深沢を必ず除かねばならぬと。 ちゃっす。まちゃひこです。 かの大作家、東大卒の三島由紀夫は深沢七郎に対して深い嫉妬を抱いたという話は有名だけれど、なぜまたこんなキナ臭い学歴と文学の話をのっけか…
ギタリスト・福田進一によると、きょうフランスのギタリスト、ローラン・ディアンスが亡くなったという。 61歳という若すぎる死だった。 同い年、でもエコル・ノルマル音楽院の先輩だったローラン・ディアンスが亡くなったとの報せ。信じられない。昨夜、マ…
てめぇこそクソブロガーじゃねぇかといわれたらこうべを垂れるよりほかないのだけれど、ぼくはブログが嫌いだ。 このことは、Twitterでは何度もいっている。しかしここのところありがたいことに読者さんも増え、アクセスもむかしからは信じられないくらいに…
昨夜、ちゃぶ台のうえに妻は4000円を叩きつけた。 ぼくはその4000円を妻のほうへすっと押しもどしたけれど、彼女はそれをつかむとふたたびぼくのまえに叩きつけ、 「その頭だけは勘弁してくれ」 というのだった。 これはきのうの「美容室をやめて理髪店にい…
※dis記事ではありません 今月26日、新海誠監督の新作「君の名は。」の公開がはじまる。 www.kiminona.com HPを見る限り、物語は田舎の女子高生・三葉と東京の男子高校生・瀧の見知らぬふたりが、ある日突然入れ替わってしまうというもので、設定された日本…
みなさんこんにちは。 まちゃひこのニセ科学の時間です。 先日ポジ熊さんのこんな記事を読んだのです。 www.pojihiguma.com まぁ、ブログには継続が大事!っていう話はほんとうにたくさんのひとがいってるというのもあるけれど、「ブログを続ける=継続的に…
さいきん、このブログの読者さんも増えてとてもうれしい。今回のエントリーは「ぼくは小説を書いてる」ってことの自己紹介になればうれしいです。 ぼくは同人誌「らくせん」というものの編集長をして、文学フリマに参加したりしたことがある。そのせいか、公…
今週のお題「わたしの本棚」 付き合うひとが割と本を読むひとが多いせいか、以前に比べて本(というか小説)を読むひとが増えているような気がしている。そこでちょっとGoogleトレンドを使って「小説 おすすめ」の検索数推移を調べてみました。 参考までに「…
仕事はきらいじゃない 広告業界の片隅で営業をしていると、締め切り間際に無茶な発注が来たり、効果が悪いと無料で掲載させろとかふっかけられたり、文明社会に取り残されたババアが何を間違ったのかiPadを購入し、クソ忙しいなか使い方を教えろと半ギレにな…
音楽がしたい。 さいきん、すごく音楽がしたい。 ぼくは高校1年のときからクラシックギターを干支がひとまわりするくらい弾いている。ただ、クラシックギターの知名度があまりにもないので(音楽の授業のアレ、程度だ)、よくフォークギター(いわゆるアコギ…
おはようございます。まちゃひこです。眠いです。 又吉大先生のおかげで、全国的に読書ブームが巻き起こっているなか、 「わたしも読書男子と付き合いたい!」 とかモンモンしている雌豚がきっといるだろうな、とおもい、そういう方のためにひとつ記事を書こ…
まちゃひこです。最近、屁がくさいです。 科学解説シリーズ第2弾は「P≠NP予想」についてです。 この問題はミレニアム懸賞問題とよばれる、クレイ数学研究所が2000年に発表した数学の重要問題7題で、解けたら100万ドルもらえるっていう超難問のひとつと…
最近、理系になじみのないひとが周りに増えてきて、そういった方々は 「数学なんかできなくても生きていけるし!」 的なことをおっしゃられることが多く、まぁそうなのかもしれないですけど、やっぱりずっと数式をいじってきた人間としてはさみしいものを感…
プラテーロとわたし (岩波文庫) 作者: J.R.ヒメーネス,長南実 出版社/メーカー: 岩波書店 発売日: 2001/02/16 メディア: 文庫 購入: 6人 クリック: 47回 この商品を含むブログ (13件) を見る ただ単にぼくがギターを弾いたりするのが好きなひとだからにすぎ…
無限の言語―初期評論集 (ボルヘス・コレクション) 作者: J.L.ボルヘス,旦敬介 出版社/メーカー: 国書刊行会 発売日: 2001/03 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (4件) を見る 今年数えで86になる祖母が雇ってもらっていたKさんの農業会社をクビになっ…
感覚によるか、あるいは想起によるか、いずれにせよ、そこでは人やモノや場所の存在が、それらのはかなさ、一過性についての激しい感情に浸された意識によって完全に占領されている。 クロード・レヴィ=ストロース 『サンパウロへのサウダージ』 そういう気…